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1.対象魚
 狙うのは、ずばり「雷魚」です。
 「雷魚」は通称で、「タイワンドジョウ」と呼ばれることもあります。

 日本で「雷魚」と総称される魚には、「カムルチー」と「ライヒー」の2種がおり、いずれも外来種(海外より移入された魚)です。

 ちなみに、私のいる地方には「カムルチー」が多く、「ライヒー」はまだ見たことがありません。

 (1)カムルチー (Channa Argus)
    アジア大陸東部に分布。
    日本には朝鮮半島から移入され、ほぼ全国に分布。
    環境によっては1mを超えるものもいる。

 (2)ライヒー (Channa Maculata)
    アジア大陸東南部に分布。
    日本には台湾から移入され、主に近畿地方に分布。
    カムルチーよりやや小さく、70cmくらいになる。
↑カムルチー[と、ヒト(笑)]


2.雷魚ゲーム
 「雷魚ゲーム」とは、まあ要するにルアーで雷魚を釣ることなんですが、私がやるのは「カバーゲーム」と呼ばれる釣り方です。
 
 「カバーゲーム」とは、ヒシやハスなどの植物が水面を覆っているところ(「カバーエリア」と呼んでます)に、カエルに似せたルアー(「フロッグ」と呼んでます)を引いて、本物のカエルと間違えて食いついてきた雷魚を釣り上げる、というものです。
 
 「釣る」ことが目的なので、釣った後は記念撮影でもして、また水に逃がします。
 
 雷魚はカエルばかりを食べているのではなく、小魚なども食べるので、なにも「カバーゲーム」にこだわらなくても普通のルアーで釣れます(笑)。
 
 ただ、同じ釣るんだったら、雷魚がカバーを揺らしてフロッグを追いかけ、最後にはカバーを突き破ってフロッグに襲いかかってくる「カバーゲーム」の方がずっと面白いと思います。
↑菱が覆った水路


3.タックル
 2で述べたとおり、植物が水面を覆っているところで釣るために、常識を超えたパワーを持つ道具を使用します。
(1) ラ イ ン・・・ PE(編み糸)の、80lb〜100lb(8〜10号)を使用します。
バスなどと比べるととんでもないパワーと太さですが、カバーゲームでは魚体に絡みついた植物ごと引き寄せることが多いため、それくらいは必要でしょう。
これほどのラインを使用していても、絶対に切れないということはありません
(2) リ ー ル・・・ (1)で述べたようなラインをを50〜100m巻くことが出来て、十分なパワーを持ったものを使用します。
具体的には、ABUの5000番以上、カルカッタ400、ミリオネア300などです。
(3) ロ ッ ド・・・ 雷魚そのものが大きく、あの長い体で強烈なヘッドシェイクをかましてきます。また植物が絡んだりするので、それに負けないパワーと柔軟性を両立したものが必要となります。
これらの条件を満たした雷魚専用の竿が色々販売されています。
(4) フロッグ・・・ カエルの形をした中空ボディで、それに沿うようにフックがセットされているものを使用します。
通常はフックがボディに沿っているので、水面の植物に引っかかることはなく、雷魚が噛みついた時ボディがつぶれ、フックが顎にかかります。
  タックルの具体例と言うか、私が使っているタックルはタックル館で紹介しています。


4.ルール
 雷魚は環境の変化などでどんどん数が減っています。それでも雷魚ゲームを楽しみたいので、私は以下のようなルールを定めています。
 もちろんこれは、他の釣り人に強制するものではありませんが、今後ともずっと雷魚ゲームを楽しむため、皆さんも気にしていただけると幸いです。

(1) 連続して同じフィールドを攻めない
 連続して同じ所を攻めると、雷魚の警戒心が高まり、捕食や繁殖活動を行わなくなる恐れがあります。
 一度攻めたフィールドは、出来れば1ヶ月くらいは開けるようにしたいですね。
 既に誰かが攻めたような跡があるところも避けた方が良いかと思います。

(2) 十分なパワーをもったタックルを使用する
 ファイト中にラインが切れたり、フロッグが壊れたりすると、口の中にフロッグが残ってしまい、餌を獲ることが出来なくなります。
 そうなった雷魚は死ぬしかありません。

(3) バーブレスフックを使用する
 バーブレスフックとは、針先にカエシのついていないフックのことです。
 フックにカエシがあると、釣り上げた時フックが外しにくく、その分魚に余計なダメージを与えてしまいます。
 もちろん、カエシが無いためバラしてしまうことが結構あるのですが、ラインブレイクによるバラしの可能性が低い(というかあってはならない)雷魚ゲームにおいては、このことがかえってゲーム性が高めているとも考えられます。

(4) 求愛・産卵・子育て中の雷魚を狙わない
 雷魚は、春から夏にかけてペアを組み、求愛行動→産卵→子育てを行います。
 卵や子雷魚を守ろうとして、親雷魚がフロッグに襲いかかってくる事がありますが、この親を釣ってしまうとリリースしても卵や子の所に戻れる保証はありません。
 親のいなくなった卵や子雷魚は他の魚の格好の餌となってしまいます。
 実際には、雷魚が子守中かどうか見分けるのは難しいのですが、アタックばかりで食いついてこない時や、尻尾でフロッグを吹っ飛ばしたりする時は、子守中の可能性が高いです。
↑愛行動中の雷魚
↑よく見ると二匹います
↑子育てをしている雷魚
 写真の上半分に沢山写っている、メダカみたいなちっこいのが子雷魚です。


5.タイトルの意味
 「Run&Gun」とは、バスケットボールの攻撃のスタイルの一つで、攻撃権を得たらとにかく走って(Run)、ゴールに近づいたらシュートを打つ(Gun)、という速攻重視のスタイルです。
 私はバスケットはしない(見るのは好き)のですが、雷魚ゲームも次々と移動しながら良さそうなところがあったら即キャスト!というスタイルなので、これに似てるかな、と思ったもので。